貧しい国の人たちが、大規模な感染症で苦しんでいる。みなさんはそう聞いたら何を考えますか？　―薬を飲めばいいじゃないか。高くて買えないなら、ひとまず安くすればいい。人命を救うのが最優先だろ。そこに誰が異議をはさめるんだ。

しかしそれは長期的に見ると人命を救うこととは真逆の方向に向かうかもしれません。

特許から得られる利益がないと、新しい薬は開発されなくなるからです。

この議題には、現時点での「人命or経済利益の維持」という対立だけではなく、「人命救済」だけをとっても現在と未来の間での”ジレンマ”が存在しているのです。

みなさんが当然だと思っていることの裏側は、実際はもっと複雑かもしれません。

そのジレンマや複雑性は各国の大使として会議に臨むことでより理解できるでしょう。

みなさんはリサーチするほど新しい発見をすることができ、多くのことを考えさせられるはずです。身近なテーマから、生死に関わる国際社会のシビアな現状を学び、真剣に向き合う機会を持ってほしい。そして、その先にある現実を見据えた自分だけの答えを追求してほしい。

そのような思いから今会議を設定しました。